琉木装身具について


コンセプト

「装身具の始まりは、装身目的ではなく呪術的なものであった。
外敵から身を守る目的で、魔力があるとされる物を常時身につけたというのが始まりで、
元々は花や木の実、貝殻、動物の歯、牙、角などを加工、組み合わせて作っていたと言います。」(Wikipedia参照)

流木民の装身具もまさにこれだと思いました。
思いや願いを込め、お守りのような存在でありたい、
意味のある装身具として身に付けられる、そんなアクセサリーをお作りしたいと思っています。

また、流木装身具は、「木に自分を合わせる」というコンセプトの基に成り立っています。
自然の流れをそのまま引き継ぎ、身に付けることの楽しさを味わおうという気持ちからきています。


流木のご説明

素材は、島木流木の中でも質量のある、沈下木という水に沈む木を見つけてきています。
このような木は、心材まで削られているため非常に強固になっており磨くほどに味が出てきます。
手に入れた方は、ぜひご自分の手で磨いてあげてください。


流木は木を探すところから始まり、アクセサリーに生まれ変わるまで半年以上経過しています。
そしてこれらは、石垣島で育った島材でもあるため八重山でしか手に入りません。


台風などで枝が折れ、海に流れ、漂い、想像もつかない程の長い年月を経て丸みを帯び、
様々な形に変化した流木の中には、
時として動物や植物に似た美しい自然美になる大変珍しいものもあります。
波打つ形、表面の凹凸、美しい縞模様を見ていると今にも動き出すかのような
不思議な生き物のようにも見えます。


厳しい自然環境の中で育った島木は、
とても硬く、昔から楽器や柱に使われてきました。
琉球諸島では、
「ジーファー」と呼ばれ「簪(かんざし)」として古くから重宝されています。
一部には、帯留として挿し、
手元に武具が無いときに最終的な武器手段として使われていたこともあるそうで、
命を守る装身具であった時代もあります。


それほど貴重で大切に扱われたきた島木の流木を、自ら浜を歩き、
たくさん流れ着く流木たちの中から探し出し、乾燥、磨き、デザイン、
そして装身具として生まれ変わるまで全て手作業で行っています。
流木の加工には特に拘り、なるべく見つけたときの自然の形状を維持できるよう、
細かい器具を使って何度もヤスリがけなどを行い完成します。
単純作業に映るかもしれませんが非常に繊細な作業でもあります。


また、流木の価値は、単に大きいからといって高価になるわけでもなく、
逆に小さいからといって安いわけでもありません。色や形、
模様や質感などで決まり、その上に「想い」が入ります。珊瑚や貝、種や豆これらも同様です。


価格については、道売りの時からの流れを引き継ぎ、
売れたものは価格を上げ、残ったものは下げて調整を繰り返し現在に至っています。
よって、お客様皆さんの平均の値が今の価格に反映されている形になりますことを
ご理解頂けたらと思います。


首飾(ネックレス・チョーカー)

トップパーツには2種類あり、探してきた流木そのものをそのままパーツとして使用したものと、
磨きをかけ、研磨し、光沢を出したものとになります。
共に、乾燥期間は半年以上を費やし、その後選別に入ります。
デザインは、そのときのインスピレーションで出来上がるものもあれば、
デッサンから入って数カ月もの間頭の中で毎日考え、何度もやり直し、
やっと完成するものまで。 その時、その時の感性を大事にしています。

流木に珊瑚や天然石を埋め込んだり、石垣島ならではの素材を使って仕上げています。


簪(かんざし)

流木の形を生かせる最良の装身具が簪だと思っています。
琉球諸島での方言言葉は「ジーファー」と言い、
神仏などの行事に神司(かんつかさ)と呼ばれる方たちが髪を結って常時挿しています。
島の女性がかんざしを求めに来店するとこもしばしばで、
それくらい盛んな文化であったことが分かります。

流木そのものの形、凹凸、縞模様を出来る限り残すことは機械作業では出来ず、
首飾や腕輪などのトップより更に2倍〜3倍の 磨き作業を経て出来上がる一品となります。

尚、かんざしを初めてお使いになる方、いつも身に付けている方、
それぞれの挿し加減が違いますので
商品説明欄に記入してあります簪の長さ・幅、そして店主による強度具合(飾り・留め)を
必ずご確認の上ご注文下さい。
強度具合が飾り簪向きでもかんざし上級者であれば留めも出来る場合も御座います。
気になる点がありましたら必ずご質問下さい。


耳飾(ピアス・イヤリング)

同じ形が存在しない為、必然的にシングルピアスが多くなります。
ピアスフックは金属アレルギーの方に優しいサージカルやチタン製フックもご用意してあります。
キラキラさせるというよりも、シンプルだけど耳元で 何か光っているような、
そんな存在感のある耳飾を 製作したいと思っています。
意味のある「和」の優しい響きが伝わることでしょう。


■腕輪(ブレス)・脚輪(アンク)


流木の婉曲部を利用したブレス(アンク)は腕や脚にはめるととてもしっくりときます。
流木の形が直角に曲がっているのなら、
腕の角にトップを合わせた変形ブレスにするなど、
琉木民の装身具は「木に自分を合わせる」というコンセプトを拘り続けたいと思います。